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解決実績
相談者は、長年にわたり自ら所有する土地を事業者に賃貸していた地主でした。当初、事業者は定期的に地代を支払っていましたが、近年、経営状態が悪化し、徐々に地代の支払いが滞るようになりました。特に、長期間にわたり地代が全く支払われない状態が続き、相談者は状況に頭を悩ませていました。
この状況を放置するわけにもいかず、相談者はまずは話し合いによる解決を試みましたが、事業者側は具体的な解決策を示さず、地代の支払いが再開される兆しも見えませんでした。このままでは、未払いの地代が膨らむ一方であり、土地を貸し続けるリスクが高まっていくことが懸念されました。
そこで相談者は、事業者に対して賃貸借契約を終了させ、未払いの地代を回収し、さらに土地の明け渡しを求める裁判を起こすことを決断しました。
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相談後の対応
当事務所に相談を受けた際、相談者が抱える問題は単に未払いの地代回収にとどまらず、土地の返却後に次の借り手を見つけることが難しいという点にもありました。土地を取り戻すことができたとしても、その後の土地利用について具体的な見通しが立たないことが相談者の大きな不安材料でした。
そこで、まずは裁判により賃貸借契約の終了と未払い地代の請求を進めつつ、並行して土地の有効活用についても検討を開始しました。裁判の過程では、事業者が経営難のため、まとまった資金がすぐには準備できない状況であることが確認されました。これにより、地代の一部回収ができたとしても、全額を短期間で回収するのは現実的ではないとの判断に至りました。
こうした背景を踏まえ、相談者と協議の上、当事務所は「貸地の売却」という選択肢を検討し始めました。土地を売却することで、未払い分の補填だけでなく、今後の地代不払いリスクも解消できるため、相談者にとっては合理的な解決策と考えました。
事業者との交渉を進めた結果、事業者は土地の売却に同意しました。そこで、早急に土地売却の手続きを進め、無事に売却が成立しました。これにより、相談者は未払いの地代分を売却益から補填し、さらに将来的な収入の見通しが立つ資金を得ることができました。また、売却により土地の管理リスクも完全に解消されました。
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担当弁護⼠のコメント
今回の事例は、単なる地代不払い問題にとどまらず、土地の有効活用や今後のリスク管理という側面も含んだ複雑な案件でした。地代の未払いが続く中で、相談者は裁判に訴える道を選びましたが、その一方で、土地の返却後に次の借り手を見つける難しさという別の問題にも直面していました。
このような状況では、裁判だけに頼るのではなく、土地売却などの別の解決策を柔軟に検討することが重要です。今回、事業者との協議を通じて売却合意を得ることができ、スムーズに売却を完了させることができたのは、相談者が柔軟な姿勢で問題解決に取り組んだ結果だと言えます。
土地を貸すという行為は、安定した収益を得る反面、相手方の経営状況など外部要因に左右されるリスクも伴います。そのため、早期に問題に対処し、最も効果的な解決策を模索することが必要です。今回の事例が、同様の問題を抱える地主の方々にとっての一つの参考になれば幸いです。