共有不動産に関する問題
不動産に関する問題の中でも、共有不動産に関する問題は権利関係が複雑になり、処分も困難になることから特に悩ましいものの1つといえます。
共有不動産に関する相談の典型例として、以下のようなケースが挙げられます。
共有不動産に関する相談の典型例
- 父から相続した不動産が遺産分割ができていないために共有状態になっている
- 兄弟で共有しているが、兄弟間の関係が悪化してしまい共有不動産を処分することができない
- 共有者の1人と連絡を取ることができなくなってしまい、共有不動産を売却する同意を得ることができない
- 他の共有者が無断で共有不動産を単独で使用しているにもかかわらず、税金だけは負担していることに納得ができない
共有不動産を放置することのリスク
共有不動産を放置した場合には様々なリスクが発生するおそれがあります。
不動産の管理費用の増大
共有不動産については、固定資産税等の税金や、管理コストが発生します。
共有不動産の管理費用は、共有者間で協議ができればよいのですが、協議が整わない場合には共有持分の割合に応じて負担することになります。
実際には共有不動産を使用していないにも関わらず、共有持分があるために共有不動産の管理費用を負担しなければならない場面も生じ得ます。
不動産の管理費用の増大を防止するためにも、共有不動産の処分等を検討する必要があります。
共有不動産の権利関係の複雑化
共有不動産には、複数の当事者が持分を有していますが、さらに各当事者に相続や事業承継等が発生した場合、共有者が変更となる可能性があります。
また、共有者の1人が自身の有する共有持分を第三者に譲渡した場合、親族以外の者も共有者となり、話し合いが困難となることも予想されます。
共有者の変更によって、さらに共有者が増加することになれば、一層共有不動産をめぐる権利関係は複雑になります。
1つの不動産に10名以上もの権利者が存在するケースもありますが、このような場合には共有者全員の同意を得て共有不動産を処分することがさらに困難になることが予想されます。
不動産の管理懈怠による損害賠償責任のリスク
共有不動産が建物である場合、老朽化に伴って破損するリスクも懸念されます。
例えば、老朽化した共有建物の管理が不十分だったために倒壊し、付近を通行していた人や自動車を傷つけたりしてしまった場合、共有建物の共有者が損害賠償責任を負うことにもなりかねません。
共有不動産の問題を解決するために
共有不動産に関する問題は、時間が経過すれば経過するほど、解決が一層困難となるおそれがあります。
共有不動産に関する問題を適切に解決するためには、不動産問題に詳しい弁護士にご相談ください。