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不動産取引における仲介業者排除のリスクと報酬請求のポイント

はじめに

不動産取引では、仲介業者の役割が非常に重要であり、契約の成立には大きな影響を与えます。しかし、仲介業者に依頼して物件や顧客の紹介を受けた後に、依頼者が仲介業者を排除し、相手方と直接契約を締結してしまう「直接取引」のケースが発生することがあります。このような場合、仲介業者は報酬を請求する権利を失うのでしょうか?また、どのような場合に仲介報酬を請求できるのでしょうか?本稿では、直接取引における仲介報酬請求の可否に関するポイントを解説します。

不動産仲介における直接取引とは

直接取引の概要

直接取引とは、仲介業者が依頼者から不動産の売買や賃貸借の仲介を委託され、取引相手を探し、契約成立に向けて尽力したにもかかわらず、依頼者が仲介業者を介さずに相手方と直接交渉を行い、契約を締結することを指します。このような取引が行われる背景には、高額な仲介報酬を回避するための意図があることも少なくありません。

直接取引が行われる背景

不動産取引において、物件の価格に応じて数%の仲介報酬が発生します。高額な仲介報酬を支払わずに済むように、依頼者が仲介業者を排除して直接取引を行うケースが見られます。これにより、仲介業者が行った業務が無駄になり、報酬を得られないという状況が発生します。このような場合、仲介業者としては、依頼者に対して報酬請求を行えるかどうかが問題となります。

直接取引で仲介業者が報酬請求をするためのポイント

1. 仲介契約の成立

仲介業者が報酬を請求するためには、仲介契約が成立していることが前提となります。媒介契約書が存在しない場合でも、仲介業務を遂行し、契約の成立に寄与した事実を立証することで、仲介契約が成立していると認められる可能性があります。これにより、依頼者が仲介業者を排除して直接取引を行った場合でも、報酬を請求する権利を主張できる可能性があります。

2. 仲介業者の排除の有無

依頼者が仲介業者を正当な理由なく排除したかどうかも重要な判断基準となります。仲介業者が排除された場合、特にそれが正当な理由なしに行われた場合には、仲介報酬を請求する権利が認められる可能性があります。仲介業者の排除がどのように行われたか、その経緯や動機を詳しく検討する必要があります。

3. 契約成立との因果関係

仲介業者の媒介活動と契約成立との間に因果関係があるかどうかも確認が必要です。たとえば、仲介業者が提供した情報や書類が契約に直接使用された場合、因果関係が認められる可能性が高くなります。

4. 仲介報酬の算定

報酬の請求方法には、約定報酬の全額請求や「相当な報酬」の請求などが考えられます。直接取引が行われた経緯や仲介業務の内容を考慮し、報酬額を適切に算定することが求められます。また、法律的には民法や商法に基づいて、仲介報酬を請求することが可能です。これにより、適正な報酬額を請求することができます。

仲介報酬を請求できないケース

依頼者が仲介業者を排除した場合でも、必ずしも仲介報酬が請求できるわけではありません。仲介業者の注意義務違反や信義誠実義務違反が認められる場合には、仲介報酬の請求が認められないことがあります。具体的には、仲介業者が物件に関する重要な情報を適切に提供しなかった場合や、依頼者の利益を無視した対応を行った場合などが該当します。

弁護士に相談するメリット

直接取引による仲介報酬請求は、法的知見が必要な複雑な問題です。弁護士に相談することで、以下のメリットがあります。

1. 法的判断の確実性

直接取引における仲介報酬請求の可否について、法的知識に基づいた確実な判断が可能です。これにより、仲介業者としても安心して対応することができます。

2. 依頼者との交渉

弁護士に依頼することで、依頼者との交渉をスムーズに進めることができます。特に、依頼者が報酬請求に対して消極的な態度を示す場合、弁護士が介入することで交渉が円滑に進むことが期待できます。

3. 裁判対応

交渉が不調に終わった場合、裁判を通じて仲介報酬の支払いを求めることができます。弁護士が裁判手続きを代行することで、安心して全てを任せることが可能です。裁判での対応だけでなく、その後の強制執行手続きまで一貫してサポートを受けることができます。

まとめ

不動産取引における直接取引は、仲介業者にとって大きな損失をもたらす可能性があります。そのため、直接取引が行われた場合には、早期に弁護士に相談し、仲介報酬の請求可否について専門的な判断を仰ぐこともご検討ください。弁護士法人長瀬総合法律事務所は、不動産に関する豊富な経験を活かした迅速なサポートを提供しています。直接取引により仲介報酬を請求する際は、ぜひご相談もご検討ください。

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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