• 牛久本部029-875-6812
  • 日立支所0294-33-7494
  • 水戸支所029-291-4111
  • 守谷支所0297-38-5277

電話受付時間: 9:00 - 23:00
※月〜土18時以降、日・祝は、ご予約のみ受付facebook

TOP 新着情報 夫婦の共有不動産を処分する方法と留意点

夫婦の共有不動産を処分する方法と留意点

はじめに

夫婦で共有している不動産を処分する際、法律上の問題や夫婦関係への影響を考慮しなければならない場面が多くあります。本稿では、夫婦の共有不動産を処分する方法について詳しく解説するとともに、処分に際してのリスクやその対策、そして各方法のメリット・デメリットについて解説します。

夫婦の共有不動産を処分することの可否

まず、夫婦で共有している不動産の持分を処分することが可能かどうかについて検討しましょう。

法律上の可否

日本の法律では、夫婦で共有している不動産の持分を、各共有者が個別に処分することが認められています。具体的には、自分の持分に対しては完全な処分権があり、他の共有者である配偶者の同意を得ることなく売却することが可能です。

実務上の注意点

ただし、共有不動産の持分を単独で売却することは、実務上多くの課題を伴います。例えば、共有持分を購入しようとする第三者を見つけることは容易ではなく、見つかったとしても相場よりも低い価格での取引となるケースが一般的です。また、配偶者に内密で持分を売却することは、後にトラブルを引き起こす可能性があります。

夫婦の共有不動産を処分することのリスクと対策

夫婦関係の悪化

共有不動産の持分を配偶者に知らせずに売却することは、夫婦関係を悪化させるリスクがあります。持分売却が発覚した場合、配偶者は驚きとともに不信感を抱き、最悪の場合、離婚問題に発展する可能性もあります。こうした事態を避けるためには、事前に配偶者と話し合いを行い、双方が納得したうえで処分を進めることが重要です。

買取業者とのトラブル

不動産の持分を売却する際、共有持分買取業者を利用することがありますが、こうした業者との取引にも注意が必要です。業者は、持分を安価で買い取り、他の共有者からも同様に持分を取得して、最終的に不動産全体を高額で売却することを目指しています。業者との取引条件が不利なものであったり、配偶者に対して強引な交渉が行われたりすることで、新たなトラブルが生じる可能性があります。

法的トラブルの回避策

共有不動産の持分売却に関して発生し得るトラブルを回避するためには、専門家のアドバイスを受けることが重要です。弁護士に相談することで、売却前に必要な手続きやリスクについて詳しく理解し、適切な対応を取ることができます。

夫婦の共有不動産を処分する方法

夫婦の共有不動産を処分する方法として、以下の三つの選択肢があります。

1.共有持分の売却

共有持分の売却は、各共有者がそれぞれ自分の持分を第三者に売却する方法です。前述の通り、法律上可能ではありますが、実務上の困難やトラブルのリスクが伴います。

2.不動産の分割

不動産を物理的または法的に分割し、それぞれが単独所有する形にする方法です。物理的な分割が難しい場合、共有持分を金銭的に精算することも考えられます。分割後にそれぞれが単独所有者となるため、その後の処分が容易になりますが、分割に関する合意や手続きが必要です。

3.共有不動産全体の売却

最もシンプルな方法は、夫婦で協力して不動産全体を第三者に売却することです。全体を売却することで、双方にとっての利益を最大化し、トラブルを避けることができます。

各方法のメリット・デメリット

1.共有持分の売却

  • メリット:手続きが比較的簡単であり、共有持分のみの売却が可能。
  • デメリット:売却価格が低くなる可能性が高く、配偶者との関係が悪化するリスクがある。

2.不動産の分割

  • メリット:分割後は単独所有となるため、その後の処分が自由に行える。
  • デメリット:分割に時間と手間がかかり、場合によっては分割が不可能なケースもある。

3.共有不動産全体の売却

  • メリット:売却価格が高くなる可能性があり、双方が納得しやすい。
  • デメリット:配偶者との合意が必要であり、全体売却が難しい場合もある。

弁護士に相談するメリット

夫婦の共有不動産を処分する際には、専門的なアドバイスを受けることもご検討ください。弁護士に相談することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 法的リスクの回避:不動産処分に伴う法的リスクを最小限に抑えるための助言が得られます。
  • 交渉のサポート:買取業者や配偶者との交渉を円滑に進めるためのサポートが受けられます。
  • 手続きの代行:面倒な手続きを弁護士が代行することで、時間と手間を省くことができます。

まとめ

夫婦の共有不動産を処分することは、法律上可能である一方、夫婦関係やその後のトラブルを考慮する必要があります。各方法にはメリットとデメリットが存在し、慎重な判断が求められます。特に、リスクを最小限に抑えるためには、弁護士等の専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。最終的には、夫婦双方が納得できる形での不動産処分を目指しましょう。

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

借地上の建物の建て替えの可否 法的留意点の解説

共有不動産の売却に関する弁護士のサポート

お電話でのお問い合わせはこちら

電話受付 9:00〜23:00
18時以降・日祝はご予約のみ受付