• 牛久本部029-875-6812
  • 日立支所0294-33-7494
  • 水戸支所029-291-4111
  • 守谷支所0297-38-5277

電話受付時間: 9:00 - 23:00
※月〜土18時以降、日・祝は、ご予約のみ受付facebook

TOP 新着情報 強制執行による不動産明渡しの手続とは

強制執行による不動産明渡しの手続とは

はじめに

不動産を所有することは、資産を守るという側面だけでなく、場合によっては予期せぬトラブルに巻き込まれることもあります。特に賃貸物件において、賃借人が契約終了後も退去せず、不法に占有し続けるケースは、多くのオーナーにとって大きな頭痛の種です。このような状況に対応するための法的手段が「不動産明渡しの強制執行」です。本記事では、不動産明渡しの強制執行とは何か、その具体的な手続方法について解説します。

不動産明渡しの強制執行とは?

不法占有者に対する法的手段

不動産明渡しの強制執行とは、契約終了後も退去しない者や、無断で不動産を占有する者に対して、法的手続を通じて強制的に退去を命じ、不動産を明け渡させる手続です。これは、オーナーが自力で不法占有者を追い出す「自力救済」が禁止されている日本において、合法的に不法占有を解消するための手段と言えます。

不法占有の典型例

不法占有が問題となるケースは、主に賃貸物件で発生します。例えば、賃料の支払いが滞った賃借人が契約終了後も物件に居座り続ける場合や、契約が解除されたにもかかわらず、自主的に退去しないケースが典型的です。このような場合、オーナーは新たな賃借人を探すことができず、賃料収入を失うばかりか、物件の維持管理費用も負担し続けなければなりません。

さらに、無断で他人の土地に物を置かれるケースや、占有屋と呼ばれる専門の業者が嫌がらせ目的で不動産を占有することもあります。これらのケースでは、オーナーが自力で解決しようとすると、逆に法的なトラブルに発展する可能性があるため、慎重な対応が求められます。

自力救済の禁止と法的手段の必要性

日本の法律では、自力で問題を解決しようとする「自力救済」は原則として禁止されています。具体的には、オーナーが勝手に建物の鍵を交換したり、賃借人の荷物を外に出したりすることは違法となります。そのため、法的手続を経て不法占有者を退去させる必要があります。不動産明渡しの強制執行は、こうした法的手続を通じて不動産を取り戻すための有効な手段です。

不動産明渡しの強制執行の手続

強制執行の準備

不動産明渡しの強制執行を行うためには、まず地方裁判所に対して申立を行う必要があります。この申立を行うには、以下の書類を揃える必要があります。

1. 債務名義

債務名義とは、判決書、和解調書、認諾調書、調停調書など、裁判所が発行する強制執行力を持つ文書を指します。この書類は、不動産明渡しの強制執行を行うための基礎となります。

2. 送達証明書

債務名義が相手方に送達されたことを証明する書類です。これにより、相手方に裁判所の決定が伝わっていることが確認されます。

3. 執行文

執行文とは、裁判所が強制執行を認めることを証明する文書です。これにより、裁判所の決定が実際に執行されることが法的に保障されます。

強制執行の流れ

これらの書類を揃えて申立を行うと、裁判所の執行官が現地に出向き、強制執行の手続を進めます。執行官はまず、不法占有者に対して自主的な退去を促しますが、それでも退去しない場合には、物理的に強制退去を実施します。この過程で、不法占有者の荷物を撤去し、鍵を交換するなどして、オーナーが物件を再度利用できる状態に戻します。

強制執行が完了すると、オーナーは物件を再び自由に利用できるようになります。賃貸物件であれば、新たな賃借人を募集することが可能となり、不法占有による損害を最小限に抑えることができます。

弁護士によるサポートの重要性

不動産明渡しの強制執行は、法的手続が複雑であるだけでなく、感情的なトラブルに発展する可能性もあります。例えば、不法占有者が執行に抵抗したり、トラブルを起こしたりするケースも考えられます。このような状況に対処するためには、法律の専門家である弁護士のサポートが有益です。

弁護士は、強制執行に必要な書類の準備から、執行官との調整、不法占有者との交渉に至るまで、オーナーをサポートします。さらに、弁護士が関与することで、不法占有者に対して法的な圧力をかけることができ、スムーズな強制執行が実現する可能性が高まります。

弁護士に相談するメリット

不動産明渡しの強制執行において、弁護士に相談することは多くのメリットがあります。以下にその主な利点を挙げます。

  • 法的手続の専門知識: 弁護士は、不動産明渡しの強制執行に必要なすべての法的手続を熟知しており、適切なアドバイスとサポートを提供します。これにより、オーナーは法的リスクを最小限に抑えながら、不動産を取り戻すことができます。
  • トラブルの予防と対策: 強制執行の過程では、様々なトラブルが発生する可能性があります。弁護士が関与することで、予期せぬトラブルを未然に防ぎ、発生した場合にも迅速に対応することが可能です。
  • 負担の軽減: 不動産明渡しの強制執行は、オーナーにとって時間的・精神的な負担が大きいものです。弁護士のサポートを受けることで、安心して手続を進めることができ、オーナーの負担を軽減することができます。

まとめ

不動産トラブルにおいて、不法占有者から不動産を取り戻すためには、強制執行が重要です。しかし、その手続は複雑であり、法的知識や経験が求められます。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、不動産明渡しの強制執行に関する専門的なサポートを提供しています。不動産トラブルでお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

共有物分割請求とは 手続のポイント

【お知らせ】守谷支所をご利用される方へ|駐車場のご利用についてのお願い

お電話でのお問い合わせはこちら

電話受付 9:00〜23:00
18時以降・日祝はご予約のみ受付