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相続した土地上に兄弟姉妹の建物が存在する場合の扱い

はじめに

相続は、人生において避けては通れない大きなイベントです。特に不動産が関与する場合、法律上の問題が複雑になることが多く、適切な対応が求められます。相続に関してよくあるケースや法律上のポイントについて、具体的な事例を交えながら解説していきます。この記事を通じて、相続問題の解決に役立つ知識を深めていただければ幸いです。

土地と建物の使用貸借に関する問題

例えば、母から土地を譲り受けたものの、その土地上には姉名義の建物が建っているケースを考えます。姉はその建物に家族と共に住んでいましたが、姉が亡くなった後も、姉の夫や子どもたちは引き続きその建物に住んでいるとします。このような場合、土地の所有者である相談者が建物の取り壊しを求めることができるかどうかという問題が生じます。

このケースでは、相談者と姉の間に使用貸借契約が成立していたと考えられる可能性があります。使用貸借契約とは、無償で他人に自分の財産を使用させる契約のことです。民法599条によれば、使用貸借契約は借主の死亡によって終了するため、姉が亡くなった時点で契約が終了し、相談者は姉の夫に対して建物の取り壊しや土地の明け渡しを求めることができる可能性があります。

しかし、同様の事例において裁判所は、使用貸借契約が父と息子だけでなく、息子の妻とも成立していると判断したケースがあります。東京高等裁判所平成12年7月19日の判例では、息子が死亡しても、父と息子の妻の間に使用貸借契約が成立しているため、息子の死亡を理由に契約が終了したとは言えないという判断が下されました。

本件でも、姉の夫との間で使用貸借契約が引き続き有効であると見なされる可能性があるため、建物の取り壊しをすぐに求めることはできないかもしれません。

使用貸借契約の終了時期

では、使用貸借契約がいつまで続くのかという点について考えてみましょう。期限の定めがない使用貸借契約の場合、契約の目的が達成されたときに契約が終了するとされています(民法597条)。本件では、建物の使用目的が「居住」であるため、その使用が終わるのは、建物が滅失するか、朽廃した場合です。このような状況が起こらない限り、姉の夫や子どもたちに対して建物の取り壊しや土地の明け渡しを請求することはできません。ただし、貸主と借主との関係が著しく悪化した場合など、特定の事情によっては、契約が終了したとみなされることもあります。

弁護士に相談するメリット

相続問題においては、早期に専門家に相談することが極めて重要です。弁護士に相談することで、以下のような多くのメリットを享受することができます。

1.法的トラブルを予防できる

相続に関連する問題は、早期に対策を講じることで多くのトラブルを未然に防ぐことができます。弁護士の専門的なアドバイスを受けることで、法的なリスクを理解し、適切な対応策を立てることができます。

2.複雑な法律問題に対応できる

相続に関する法律は複雑であり、特に不動産が関わる場合、専門的な知識が求められます。弁護士は相続問題のプロフェッショナルであり、法律に基づいた適切なアドバイスを提供します。

3.家族間の対立を調整できる

相続において家族間で意見が対立することは少なくありません。弁護士が代理人として間に入ることで、冷静な判断と交渉を行い、感情的な対立を抑えつつ、法的に公正な解決を目指すことができます。

4.訴訟対応がスムーズになる

相続が争いに発展した場合、裁判所での争いに発展することがあります。弁護士に依頼すれば、訴訟準備や法的手続きについても安心して任せることができ、ストレスを軽減することが可能です。

まとめ

相続に関する問題は、個々のケースによって非常に異なるため、特定の状況に応じた法的な対応が求められます。不動産が絡む相続問題では、特に使用貸借契約や家族間の法律関係が複雑になることが多いため、早めに弁護士に相談することが最善の対策です。法律の専門家である弁護士法人長瀬総合法律事務所は、こうした問題に豊富な経験を持ち、適切なアドバイスを提供します。

相続や不動産に関するお悩みや不明点がある場合は、当事務所へのご相談もご検討ください。

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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