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現物分割とは? 共有不動産を分ける方法

はじめに

不動産を複数の人が共有している場合、その利用や権利関係が複雑になることがあります。そのような場合に役立つ解決方法のひとつが「現物分割」です。この記事では、現物分割とは何か、その具体的な手続きやメリット、注意点について解説します。

現物分割とは?

基本的な考え方

現物分割は、共有不動産を物理的に分割し、それぞれの共有者が独立した不動産を取得する方法です。例えば、1つの土地を分筆(分割して登記)し、各共有者がその土地の一部を所有する形になります。

原則としての方法

民法258条2項では、共有物の分割について、現物分割が最も公平であるとされています。これは、共有不動産をそのまま活用できることが、多くの場合、各共有者にとって利益が大きいと考えられるためです。

現物分割の具体的な手続き

共有者間の協議

現物分割を行う際、まず共有者全員で分割方法について協議する必要があります。全員の合意が得られれば、その内容に基づいて分筆登記を進めます。

協議が整わない場合

共有者間で合意ができない場合には、裁判所に「共有物分割訴訟」を提起し、裁判所の判断を仰ぎます。この場合、裁判所は公平な分割方法を検討し、原則として現物分割を命じます。ただし、以下のような例外もあります:

  • 分筆が技術的に不可能な場合(例:建物の場合)
  • 土地の価値が著しく下がる場合
  • 細かく分割しすぎて利用価値が減少する場合

一部価格賠償による調整

公平に分割することが難しい場合、取得した部分の価値が異なる場合には、価値の多い部分を得た共有者が他の共有者に差額を支払う「一部価格賠償」が適用されることもあります。

現物分割の実務 登記手続き

現物分割が決まった後は、以下の手続きを行う必要があります。

  1. 土地の分筆登記
    各共有者が分筆後の土地を取得するため、まず分筆登記を行います。この際、全共有者が申請人となります。
  2. 共有物分割登記
    分筆後の土地について、共有持分全部移転登記を行い、それぞれの共有者が新しい土地を単独で所有する形にします。

これらの手続きが完了すれば、現物分割は正式に成立します。

現物分割のメリット

現物分割には、以下のようなメリットがあります:

  • 公平性の確保
    物理的な分割により、それぞれが不動産を活用できる。
  • 利用価値の維持
    不動産をそのまま活用することで価値が保たれる。
  • 独立した所有
    共有関係が解消され、単独所有として自由に管理ができる。

現物分割が難しい場合の対応

競売(代金分割)

現物分割が技術的に困難な場合や、土地の価値が下がる場合には、裁判所が競売命令を出すことがあります。この方法では、不動産を売却して得た代金を共有者間で分配します。

一部分割

請求者のみが持分の限度で現物分割を希望する場合、その他の共有者とは引き続き共有状態を維持する方法も認められます。

弁護士に相談するメリット

現物分割や共有不動産の問題は、法的知識や手続きの理解が必要です。弁護士に相談することで、次のようなメリットが得られます。

  • 法律の専門知識を活用
    現物分割が可能かどうか、最適な方法を提案。
  • 手続きの代行
    煩雑な登記や訴訟手続きを代行。
  • トラブル回避
    共有者間の対立を法的に整理し、公平な解決を図る。

まとめ

現物分割は、不動産共有関係を解消するための基本的な方法です。ただし、適切な手続きを進めるためには法的知識が必要となります。トラブルや疑問がある場合には、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

 

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この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

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