• 牛久本部029-875-6812
  • 日立支所0294-33-7494
  • 水戸支所029-291-4111
  • 守谷支所0297-38-5277

電話受付時間: 9:00 - 23:00
※月〜土18時以降、日・祝は、ご予約のみ受付facebook

TOP 新着情報 オンライン申請の手順とメリット

オンライン申請の手順とメリット

はじめに

不動産登記の申請は、これまで紙の書類を法務局へ持参または郵送する方法が主流でしたが、近年はオンラインで登記申請ができる仕組みが整備され、「登記・供託オンラインシステム」を利用するケースが増えています。電子申請を利用すれば、窓口に行かずに手続きを完結でき、書類不備の補正や進捗確認もオンラインで可能になるなど、多くのメリットがあります。

本稿では、不動産登記のオンライン申請の方法や手順、利用するメリット・注意点を解説します。

Q&A

Q1.オンライン申請とは具体的に何をするのですか?

オンライン申請とは、インターネットを通じて登記申請書や添付書類のデータを法務局へ送信する手続きです。紙ベースではなく電子ファイルを提出し、登録免許税の納付も電子納付で行うことができます。ただし、電子署名・電子証明書の取得や、システムへの申請用ソフトインストールなど事前準備が必要です。

Q2.オンライン申請を利用するメリットは何でしょうか?

主なメリットとしては以下が挙げられます。

  • 時間・労力の節約
    法務局へ直接出向いたり、書類を郵送する手間が省ける。
  • 補正がスムーズ
    書類不備があった場合にオンライン上で修正・再提出ができる。
  • 24時間いつでも申請可能
    システムが対応している限り、夜間や休日でも申請できる。
  • 電子署名での安全性
    電子文書に電子署名を付与することで、書類の真正性が担保される。
Q3.電子証明書や電子署名は必ず必要ですか?

オンライン申請で登記を行う際、申請書や添付書類に電子署名を付ける必要があります。これにより、誰が提出したかが確認でき、改ざん防止機能が働きます。個人の場合は公的個人認証サービス(マイナンバーカード)や民間認証サービス、法人の場合は商業登記電子証明書などを利用することが多いです。

Q4.オンライン申請で全ての手続きが完結できますか?

大部分の登記申請はオンラインで完結できますが、一部の添付書類を原本で提出しなければならない場合があります。その場合、原本還付請求の手続きをしたうえで法務局へ郵送や持参が必要です。また、電子公証や電子公正証書を使うことで、添付書類の電子化が進んでいるケースも増えています。

Q5.オンライン申請を利用するにはどうすればいいでしょうか?

大まかなステップは以下の通りです。

  1. 電子証明書の取得
    個人ならマイナンバーカードを利用する方法、法人なら商業登記電子証明書を取得する。
  2. 登記・供託オンラインシステムへ登録
    利用者IDを取得し、パスワードや電子証明書を登録。
  3. 申請用ソフトのインストール
    法務省サイトから登記申請ソフトをダウンロードし、PCにインストール。
  4. 申請書データの作成
    システム上で登記申請書や添付書類をPDFやXML形式で作成し、電子署名を付与。
  5. オンライン送信
    電子納付した登録免許税などとともに、法務局へ送信して完了。

解説

オンライン申請の詳細手順

アカウント登録

「登記・供託オンラインシステム」にアクセスし、利用者登録を行います。個人か法人かで必要情報が異なり、電子証明書を使用して本人確認を行う場合があります。

申請書の作成

法務省が提供する専用ソフト(登記・供託オンラインシステム用のツール)をインストールし、登記申請書を電子ファイルで作成します。物件情報、登記原因、添付書類のリストなどを入力し、電子署名を付けます。

添付書類の電子化

住民票や戸籍謄本、印鑑証明書など一部書類は原本提出が必要ですが、スキャニングしてPDF化し、原本還付請求の手続きを行い、後日法務局に送付・持参する方法もあります。状況に応じて全て電子化が可能なケースも増えてきています。

登録免許税の納付

オンライン申請では、インターネットバンキングやATMを利用した電子納付が可能です。納付結果をシステムに反映させた後、法務局が申請書類一式を受理し審査を開始します。

補正・完了

書類に不備があった場合、法務局からオンライン上で補正指示を受け、再度データ修正・送信が可能です。問題なく審査を終えると、登記完了通知がシステム上に通知されます。

オンライン申請のメリット・デメリット

メリット
  • 時間・場所の制限が減る
    24時間いつでも申請可能で、法務局への移動コストが不要。
  • ペーパーレス化
    書類の電子化で紙の保管が減り、補正も迅速。
  • 進捗管理が容易
    ステータス確認がシステムでできるため、状況を随時把握できる。
デメリット
  • 導入コスト・事前準備が必要
    電子証明書取得やソフトのインストール、操作習得に時間がかかる。
  • 添付書類原本の提出
    完璧に電子化できない場合、結局法務局へ原本を送る手間が生じる。
  • 通信環境
    ネット環境やPCのセキュリティ対策が不十分だとトラブルのリスクがある。

実務での注意点

  1. 電子証明書の有効期限
    マイナンバーカードや商業登記電子証明書には有効期限があります。期限が切れていると申請できないため、こまめに更新することが必要です。
  2. 大容量ファイルの送信
    添付書類が多くなると、ファイルサイズが大きくなる場合があります。分割送信や圧縮ツールを利用するなどの工夫が必要になるかもしれません。
  3. 専門家の活用
    オンライン申請は便利ですが、登記の専門知識がないと入力ミスや書類不備が起きやすいです。司法書士や弁護士に依頼すれば、申請作業を代行してもらえるので、慣れない方は検討する価値があります。

弁護士に相談するメリット

  1. 登記手続きの総合サポート
    弁護士は、登記を行う前後の法律トラブル(売買契約の不備や相続人間の紛争など)にも対応できるため、オンライン申請だけでなく取引全体のリスク管理が可能です。
  2. 書類不備・補正対応
    オンライン申請中に法務局から補正指示を受けても、弁護士が内容を精査し、補正の方向性を法律の観点から判断するため、短期間で正確に対応できます。
  3. IT活用と法務の連携
    弁護士は法務のプロとして、電子署名・電子証明書の適切な運用や、電子契約システムとの連携など、IT面の法的リスクを総合的にカバーできるのが強みです。

まとめ

  • オンライン申請は、不動産登記をネットを通じて行える便利な仕組みで、法務局への持参や郵送の手間を大幅に削減できる。
  • 電子証明書・電子署名が必須となり、事前準備やシステム操作の学習が必要。
  • 補正指示もオンラインで行われるため、迅速な修正が可能だが、添付書類の原本が必要な場合は郵送・持参が必要。
  • 利用メリットが大きい一方、慣れないユーザーにとっては導入コストや操作難度を考慮する必要がある。
  • 弁護士や司法書士と協力すれば、トラブル防止や書類不備のリスクを低減し、IT活用で効率的に登記申請が行える。

今後もオンライン申請のシステムは拡充が続くとみられ、より簡単・迅速に登記ができるよう進化していくでしょう。早めに仕組みを理解し、自社や個人の不動産手続きに取り入れてみてはいかがでしょうか。


動画・メールマガジンのご案内

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、不動産法務に関する様々な解説動画をYouTubeチャンネルで公開しています。
詳しい解説をご覧いただき、問題解決の参考にしてください。

長瀬総合法律事務所YouTubeチャンネル

【リーガルメディアTVはこちらから】

最新のセミナー案内や事務所からのお知らせを配信するメールマガジンもぜひご活用ください。
【メールマガジン登録はこちら】

この記事を書いた人

⻑瀬 佑志

⻑瀬 佑志

弁護士法人「長瀬総合法律事務所」代表社員弁護士(茨城県弁護士会所属)。約150社の企業と顧問契約を締結し、労務管理、債権管理、情報管理、会社管理等、企業法務案件を扱っている。著書『コンプライアンス実務ハンドブック』(共著)、『企業法務のための初動対応の実務』(共著)、『若手弁護士のための初動対応の実務』(単著)、『若手弁護士のための民事弁護 初動対応の実務』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が書いた契約実務ハンドブック』(共著)、『現役法務と顧問弁護士が実践しているビジネス契約書の読み方・書き方・直し方』(共著)ほか。

法人名義での登記と注意点

境界確定登記と測量の進め方

お電話でのお問い合わせはこちら

電話受付 9:00〜23:00
18時以降・日祝はご予約のみ受付